インバスケット試験とは?-問題用紙・解答用紙の全体像と得点アップのポイント-
「インバスケット試験って、どんな試験なのか?」
「中身はどんな内容か?」
「得点アップのポイントは何か?」
インバスケット試験に合格するために、インバスケット試験の中身を正しく理解することは、重要ですよね。
このページでは、 インバスケット試験とは?について、問題用紙・解答用紙の全体像と得点アップのポイントを、例題を交えてご紹介します。
ぜひ、これを読んで、あなたの試験対策にお役立てください。
インバスケット試験とは?-問題用紙・解答用紙の全体像と得点アップのポイント-
試験問題の全体像
まずインバスケット試験の問題用紙・解答用紙の全体像をお話しします。
インバスケット試験の典型的な問題を例題に取り上げて、説明していきます。
例題の概要
試験時間 | 90分 |
試験様式 | 記述式 |
案件数 | 20件 |
役職 | 課長職 |
ページ数 | 37頁 |
記述式の問題ですが、 このページの解説は、マークシート式を受験予定の方にも対応しています。
インバスケットの本質は、記述式もマークシート式も同じですので。
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例題の実物一式は、以下のリンクから、無料PDFをダウンロードできます。
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PDF を印刷してお手元に置き、実物を見ながら、ここから先をお読みください。
その方が、理解がより進みやすいと思いますので。
問題用紙・解答用紙の構成
問題用紙・解答用紙は、次のようなパートで構成されています。
問題用紙
- 問題文
- あなたの置かれている状況
- 会社概要
- 組織図
- スケジュール
解答用紙
- 案件処理
- 関連案件
- 優先順位
どのインバスケット試験でも、この構成はほとんど同じです。
少し違うパターンとしては 、これに計算問題がついていたり、グループ演習形態をとる場合もあります。
ですが、 基本の構成はこれなので、まずはこれをしっかりマスターすることを最優先に考えて下さい。
では、パートごとに、 中身を見ながら解説していきます。
問題用紙
まず、問題用紙からご説明します。
問題文
問題文にはこういった内容が書かれています。
あなたに求められているのは、
「あなたの置かれている状況」に書かれた、架空の人物になりきって、役割を遂行し、未処理の書類群に対し、意思決定を行う
ことです。
架空の状況下での、あなたの意思決定を問われます。
意思決定は、判断だけではありません。
指示・行動まで含みます。
問題文の続きを見ていきます。
次に、解答方法です。
項目が羅列してありますが、意味のまとまりがありますので、まとまりごとにご説明します。
「案件処理」
- 未処理案件に対するあなたの意思決定または行動はすべて意思決定シートに記入してください。
- 意思決定シートにはあなたの具体的な意思決定及び、指示・行動を記入し、必要であると思えばその理由も記入してください。
- 未処理案件を「無視」「保留」「延期」する場合もその旨を記入してください。
この3つは、「案件処理」の問いです。
先ほど出てきた、「未処理の書類」という言葉が、「未処理案件」に変わっていますが同じものです。
書類1個1個を、それぞれ1案件として扱います。
そして、未処理の案件の1つ1つに対して、あなたは何か意思決定を行います。
その意思決定結果は、全て、解答用紙の「意思決定シート」に書きます。
案件の実際の中身は、後から出てくる「案件」のパートで解説します。
案件の中には、意思決定の結果として、「無視」もあります。
その場合、解答欄は空欄ではなく、「無視する」ということを明記して下さい。
無視するからと言って、空欄で提出してはいけません。
インバスケットの評価項目の一つとして生産性があり、何問解答できているかが評価されています。
解答数が多ければ多いほど評価は高まります。
空欄だと、未解答とみなされ、生産性が低いと評価されます。
得点アップの一つのポイントは「全問解答」です。
どんな意思決定が高評価なのか、という話も重要ですが、このページの主旨とは少しずれるので、別の記事で扱いたいと思います。
「関連案件」
- 関連する案件があれば案件番号を記入してください。
これは、「関連案件」の問いです。
案件は通常、20個前後あります 。
各案件は完全に独立しているものもあれば、別の案件と関連しているものもあります。
どの案件とどの案件が関連しているのか。
それを問われているのが、この問いです。
例えば、案件1と案件3が 関連している場合、
解答用紙の、案件1の関連案件の欄に、「3」と書きます。
そもそも「関連」とは何かという重要な話がありますが、このページの主旨とは少しずれるので、別の記事で扱いたいと思います。
「優先順位」
- 各案件における優先順位を決定し、解答欄に記入してください。
これは、「優先順位」の問いです。
案件は全て同列ではなく、それぞれに重みがあり、期限もあり、優先的に処理すべき順番があります。
それが優先順位です。
全ての案件の中で、各案件が、それぞれどの優先順位なのか。
それを問われているのが、この問いです。
そもそも「優先順位」とは何か、具体的に何を基準に判断すれば良いのか、という話も重要なのですが、このページの主旨とは少しずれるので、別の記事で扱いたいと思います。
「その他」
- どの案件から処理するかは自由に判断できます。
- 記入形式は自由ですが、読み取れない文字や文章は採点対象となりません。
案件は20前後ありますが、どれから読み始めても、解答しても良いです。
後は、読める文字で書いてね、ということです。
あなたの置かれている状況
次に、「あなたの置かれている状況」です。
問題文で、あなたが求められていたことは、
「あなたの置かれている状況」に書かれた、架空の人物になりきって、役割を遂行し、未処理の書類群に対し、意思決定を行う
でしたね。
ここでは、この架空の人物が、今どんな状況に置かれているのかが書かれています。
あなたの置かれている状況には通常、
- あなたの名前
- 所属している会社・部署・役職
- 役職についた日付
- 前任者の業務処理状況
- 現在の日付・時刻
- 案件を処理できる時間
- 処理の終了時刻
が書かれています。
これらのポイントは、後から案件を処理する時に必要になってくるので、必ずチェックするようにしてください。
多くのインバスケットの問題では、あなたが置かれる状況は、
- あなたは突然新しい役職に就任する
- 前任者はしばらく案件を処理していない
- 案件がたまっていて、仕事が遅れた状態
- 厳しい時間制限の中で、多くの案件に適切な意思決定を求められる
というパターンが多いです。
初めて問題を解くときは、慣れない設定に面食らうかもしれませんが、ある意味、お決まりのパターンなので、このパターンに慣れてしまえば良いです。
会社概要
次は会社の概要です。
先ほど出てきた、「あなたの置かれている状況」に会社名が出てきました。
その会社について、もう少し詳しい情報が提供されます。
- この会社はどんなビジネスを行っているか
- 売上高
- 人員規模
- 会社は今どんな状況にあるのか
は、把握しておきましょう。
組織図
そして、組織図です。
先ほどの「会社の概要」 で、ビジネスの概要と人員規模が出てきましたね。
組織図では、
- そのビジネスをやるために、 会社はどんな機能を持ち、どんな組織構成を取っているか
- あなたはどの位置にいるのか
を把握します。
図の中の、ブロック1個1個が機能です。
ブロックの名前から、どんな機能を持っているかを推測します。
「あなたはどの位置にいるのか」は非常に重要です。
同じ案件が与えれても、組織内のあなたの位置が違えば、適切な意思決定も違ってきます。
自分の役職に適した意思決定をするために、あなたの位置を正しく把握しましょう。
スケジュール
次はスケジュールです。
今回取り上げた問題は、スケジュールがついていないケースですが、
カレンダーや予定表のようなものがついている場合があります。
ない場合もあります。
案件
次は、案件です。
通常、一つのインバスケット問題に、 案件は20個前後あります。
以下は、例題の案件を一つ抜粋したものです。
これは、未払いの残業代の相談案件です。
こんな感じで、1枚の紙に案件の内容が書かれています。
案件には、色々なものがあります。
- 時間外労働
- アンケート結果
- 中途採用
- 母からの御礼状
- 月次作業遅延
- 内定者研修発表会
- 人事制度委員会
- 懇親会費
- セミナーFAX
- 退職願
- 社内報
- 未払い残業代
- 新規オープンクレーム
- 教室長が罵倒
- 模試未発送
- 育児休業明け
などなど。
これはインバスケットの問題によって全て違います。
よく出題されるパターンもあります。
解答用紙
次は解答用紙です。
解答用紙は、意思決定シートとか、アクションシートと呼びます。
読み方は違いますが同じものです。
この問題では、意思決定シートです。
与えられた案件に対する、あなたの意決定結果を記入するための用紙です。
意思決定結果の記入欄は3つあります。
問題文に出てきた、案件処理・優先順位・関連案件です。
案件処理
「あなたのアクション」の欄が、案件処理の解答欄です。
案件一つ一つに対して、あなたの具体的な意思決定(判断・指示・行動など)、必要なら、その理由を記入します。
関連案件
「関連案件」の欄が、関連案件の解答欄です。
案件一つ一つに対して、関連している案件の番号を記入します。
優先順位
「優先順位」の欄が、優先順位の解答欄です。
案件一つ一つに対して、全ての案件の中で、この案件の優先順位は何番なのかを記入します。
まとめ
インバスケット試験とは?について、問題用紙・解答用紙の全体像と得点アップのポイントをご紹介しました。
これを理解したら、次は、早速試験対策に入っていきましょう。
しかし、いきなり問題集をたくさん解くなど、闇雲に対策しても、実際はなかなか成果が上がりません。
まずは、インバスケット試験の対策・コツの全体像を理解するために、以下のページをお読みください。
ちなみに、今回ご紹介した例題は、インバスケット合格予備校の問題集 “Gokaku” から抜粋したものでした。
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よければダウンロードして、あなたの試験対策にお役立て下さい。